燕雀安(いずく)んぞ、鴻鵠の志を知らんや
「小さな鳥には大きな鳥の志はわからない。小人物は大人物の遠大な志を知ることができない。」

Amadiciena chronicle の あとがき

■超絶苦しかった。

 思いっきり難産でした。どうしても好きになれない話だったなー…。索冥が、だいっきらい!自分で生み出しといてアレだけど、ほんとーにこの男は好きになれなかった。ランドも。
 なんなんでしょうね。素直じゃなくて何考えて行動してるのかが、どーしても理解できないかんじが…。一通り作って、色んな所を修正したり付け足したりした記憶が…。付け足しはいっぱいしたなー。
 まず、EDから書き出したんだ。出だしと最後を決めてしまったから、真ん中を埋めるのがヒジョーにきつかった。所々書きたいところは決まっていたけど、事件性をどうしようとか…。付け焼き刃的で、私はちょっとしんどかった。自分の力なさを感じたな、と。
 これほどつまらない話もないよな…。とか、半ば呆れながら友人2名に読ませたところ、以外にも悪い返事ではなかったのが、自分で驚き。純粋に面白いと初めて言ってもらえました。本当に嬉しかった。有り難う!!

ちょっとしたネタバレ↓……かな?キャラクターのこと。
ランドール
ランドールの本名は嵐弩(ランド)です。ランドールはあざな(字)だと思ってください。
彼は生まれたときに既に鴻嵐鵠に目を付けられていました。嵐弩と名付けられたのもそのとき。
そんな生き物を融合してしまったため、人より長く生き、老化も殆どありません。この話の後150年近く統治しますが、最後の50年は見知った友人も老いて死んでしまい、国民・家臣の不信感を買い(歳取らないから、気味悪がった)、自分から王であることを止めました。
悲運の王です。誰を信用していいか判らず、全て自分で解決しようとし、人外の力から逃れたくて逃れたくて、最終的にああいう結末で逃れました。
彼の幸せは何だったんでしょうね…。
索冥
天の精霊が作り出した傀儡。天の精霊の執着に利用されるだけされて、自分の心がどこにあるのかも悩んでしまうような、本当はかなり臆病な人。
本当は、ランドールを敬愛しているのに、そのことに絶対に認めようとしない。それが天の精霊から抜け出せる唯一の道だと信じて。
彼は最後まで王の側で王を見守ります。どんなことが有ろうとも彼だけは王の唯一の味方。しかし王はそのことさえ気にかけようとはしなかった。彼も悲運の人。
天の精霊 エルシノア
狂気。諸悪の権化。彼女(彼?)はただ愛しただけ。それが罪。
自分の妹であり弟である鴻嵐鵠、本名ランドシェリオールを手に入れるため、相手の意向を無視して、ただ純粋に求めた。
究極のプラス思考の持ち主。
もう、鴻嵐鵠を追うことはない。索冥を通じて流れ込んできた鴻嵐鵠の毒を澱にしたから。その毒さえも愛おしい。
「私にそれほど執着してくれる。何て素敵なことでしょう。私を愛しているが為の行為なのね」
鴻嵐鵠 ランドシェリオール
最大の被害者。彼(彼女?)は美しく、ただひたすらに破壊を求めた。
天の眷属で暴風の属性を持っている、エルシノアの兄弟であり姉妹。ただ、エルシノアから逃げたくて逃げたくて逃げ切れなかった。地獄に落とされて自分を汚されて侵されて、ただ復讐を願う。虫ずが走るほどエルシノアを畏怖していた。
何をやっても、エルシノアは堪えることはなかったから、苦労は徒労に終わった。
ランドールと運命共同体なので、もう生きていない。