「長くてなぁ…」
「もしかして覚えて無いんじゃありませんか」
「 最近ヤケに喧嘩売ってないか俺に」
「さて。私からいきますよ。正式名称はアルヴィティエル・ネブラ・エル・ファタモルガナ。通り名の方がよく使います」
「俺はそうだな。一番よく使うのがルイス・サイファー。アルヴィティエルにだけノイズフェラーと呼ばせている」

「その問いは無意味だ」
「外見年齢とかでよろしいのでは」
「それも無意味といえば無意味なんだが。一番使用している外見は人間で言えば２７，８」
「私は２５前後の外見しか使ったことがありませんね」

「男」
「基本的に男性体です」

「頑固だとは思いますよ」
「俺の性格、ね。自分に正直」
「………（唖然）」
「俺ほど欲求に正直な奴はいねぇだろ」

「可愛いぜ？俺の言うこと全くきかなくて。」
「…。こういう性格なんですよ…」

「俺の国の一番高い空で。空から見下ろしてやがったからな。風切り羽根をむしりとってやった」
「貴方と一緒に地を這うのも、なかなか面白いですよ」

「堕とし甲斐がありそうで旨そうだった」
「エレボスに美しい物があるのかと、悔しくも一瞬目を疑いました」
「…言ってくれる」

「ありません」
「おいコラ即答かてめぇは」

「言い尽くせません」
「………ちょっと待て、お前。いい度胸だな随分」
「ご自分の胸に手を当ててごらんなさい」
「そりゃ酷ぇな。尽くしてんじゃねぇかお前に」
「………………………は？」

「そんなに嫌いなのに、なんで俺から逃げねぇんだよ」
「……」（目をそらす）
「俺を独り占めしたくて仕方ないくせにな」
「なっ…！ちょっと待ってくださいよ聞き捨てなりませんよそれは！」

「アルヴィティエル。その名でしか呼んでない」
「基本的にはノイズフェラーと。他に何物かが居る場合はあざなの方を呼びます」

「俺の真名を贈ったからな。真名でいい。呼び捨てにされるのは初めてだったんだが、意外と悦い。背信的でゾクゾクする」
「貴方に敬称を付ける気はありませんよ。これっぽっちも」

「こういう動物が存在したら飼いたくありませんね」
「言うね 」

「これ以上何をあげれば気が済む？」
「いりませんよ何も。貴方から何か贈られたら、裏が有りそうで怖い」

「手に入らない物など何一つない」
「貴方はほら、誠実さとか、節制とかを何方からかいただいた方がよろしいのでは？」
「悪魔が誠実でどうするよ」

「俺の言うこと信じやしねぇ」
「そんな賭けみたいなことしませんよ」
「そういう態度を許してるのはお前だけになんだぜ？」
「……知ってますよ。私は貴方の手の平の上で藻掻いている」
「卑屈だな」

「意識しないからこそ、癖といえる」
「要するに判らないんですね」

「何かあるとすぐに俺を疑う」
「そんな…、まるで自分が信じられてるみたいに言わないでくださいよ」
「………そろそろいい加減にしておけよ？」

「浮気」
「ええっ！？何時何処で私が浮気なんてしましたか！自分のことを棚に上げて何言ってるんですか！私がするはずないで――……っ…」
「（にやり）」

「まぁ、こういう事をすると怒る。――…わかった、睨むな。襲いたくなる」

「肉体が混ざり合わないことが不思議なくらいに犯したりできる関係」
「どうしてまともな事を言えないんですか貴方は」

「初めて二人で遊びに行った世界は何処だったか。第三世界あたりか？」
「…デートという単語を全力で拒否したいですが、その通りです」

「ごく普通です」
「もう少し面白い事を言えよお前も」

「何処までって言われてもな。やることはやる」
「………」

「惑星間交流のある世界がお気に入りだ」
「貴方くらい変わった人種が居ても雑踏に紛れますからね」

「その手の概念が無い」
「記念日的な物はないですからね、魔界には」

「捕まえて堕として俺の物にしたからな、強引に」
「…そうですね」

「……解りは、しませんよ」
「知らぬは本人だけ、ってな」

「『出会いは罪、恋するは罰、愛することは裏切り』だったか。お前がアイテールへの罪悪を感じる必要は無いはずなんだが、思い悩むのは性格だからしょうがねぇか…。悪魔なのにな」
「『愛』を理解できない方に言われたくはありませんが」
「馬ぁ鹿。愛が全ての『醜い感情』ってやつを生むんだぜ。確かに俺は理解していない、言葉ではな」

「いつも可愛げ無いほど生意気だからな。素直に甘えられると、くるな結構、下半身に」
「私が、何時、何処で、そんなことをしましたか」

「浮気と言う物は本気があってこそ成り立つのです」
「まるで俺がお前に本気じゃねぇような言い方は何だ」

「噛みちぎってやろうかと思う程度に許してます」
「や、それ許してないだろ。千切られるのは困る流石に…お前も楽しめなくなるぜ？」
「黙りなさい」

「気分によって探したりほっといたり」
「放置します」

「腰。丁度いいんだよな引き寄せるのに」
「（シカト）そうですね…色ですね。染まらない黒、というのが好きです」

「怠そうに髪を掻き上げる仕草は気に入っている」
「ぞっとするような人を食った笑みというのが、場合によっては色っぽいと表現出来なくもありません」

「恐怖と感じる時、ですかね」
「要するに、俺が恰好良いと好きなのか？」
「………そういうヘタレた所は見たくないものです。僕（しもべ）として」

「こう言っちゃなんだが、基本的に俺は嘘は付かない」
「ダウト」

「幸せって何だ？」
「そういう哲学的な事をおっしゃられても…」
「お前を犯してる時なんかは意外と好きなんだが」
「…ああ、もういいです。あっち行っててください」

「一方的に私が怒っています」
「そうでもないだろう？」
「貴方はそれさえ楽しんでいるくせに」
「…聡いね」

「もう、不満だらけですからね、この人に対して」
「照れるね」
「…」（イライライライラ）

「俺が譲歩」
「……」（渋）
「そんなあからさまに厭そうな顔するなよ。面倒くさい奴だな」
「その『面倒くさい奴』によくよく付き合ってますね」
「『妻機嫌良ければ事も無し』と言うだろう」
「は？（それ誰の言葉ですか）」

「生まれ変わろうとして無理矢理側仕えにされたようなものですから」
「『転生』か…。いいな。一度全部滅ぼしてみようか？」
「エレボスを？」
「いいや、全部を」

「無いです」
「気付かないのは本人だけ、だな。俺は大概尽くし損」
「…………判りましたよ。愛かどうか定かじゃありませんが、私を優先してくださるときは特別なのかと思います。これでいいですか」
「……」（報われてない）

「無いな。疑ったことはない」
「いやだから貴方、『愛』なんて理解してないでしょうが」
「だが、お前が俺を想う気持ちは愛なんだろう？」（しゃあしゃあと）
「…ッ」

「そうだな…。閉じこめて引き裂いて吐息まで奪い尽くす。―――…そうだろう？」（耳元で）
「ちょ…、放してください」
「却下」

「もうとりあえず派手なものは全部似合うんじゃないですか」（追い払いつつ）
「熱の無い返事だな…」

「大なり小なり」
「ええ」

「有るわけがないだろう」
「有りますよ、私は」
「へぇ…初耳だ。お前が劣等感を抱く物はなんだ？」
「……貴方ですよ」
「それは…、仕方ないな」（苦笑）

「言いふらしちゃいないが、隠してもいない」
「四六時中側にいれば気付かれようものです。この人は容赦ないですし」

「俺がお前を手放す時が有るとしたら、お前が俺の元から離れようとした時くらいだろうな」
「そして、私を殺してしまうんでしょう？」
「ああ。俺の物にならないのならば、壊したほうがいい」
「そういう貴方だから、側に居るんですよ私は」

「攻め」（ニヤニヤ）
「…受けです」（無表情）

「俺は征服する者だから」
「悠長に決めてる場合では無かったような」

「当然」
「好き好んで誰かを抱こうと思わないので、これでいいです」

「俺の城」
「エレボスで最も深い場所にあります」

「楽しくて仕方が無かったな」
「殺されると思っていましたから」
「死体抱くのはつまらんぞ？泣き叫んで懇願する様が悦いんだ」
「おや、では私はそのどれにも該当していませんね」
「お前は例外」

「必死に抵抗してたんだが、最期は陥落したな」
「貴方はもうひたすら楽しんでましたね。まさに魔王といった感じでした」
「まさにも何も、俺は真っ当に魔王なんだが」

「指一本動け無いほど貪った筈なんだが、立って歩こうとしてたな。何処に行く気だったんだあれは」
「さあ…。覚えていませんよ。何処へ行ける訳でもないのに…」

「気が向いたら無理矢理にでも」
「時間の概念が薄いので、週に換算するのが面倒ですね…」

「何週間耐久で出来るだろうな？」
「貴方ね、そうやって無駄な体力使うのはやめてくださいよ」

「そうだな…ハードからノーマルまで殆どのプレイはやり尽くした」
「……（項垂れつつ）頼みますから、無駄なバリエーションも増やさないでください……」
「我が儘だな、お前は」
「……………我が儘と言いますか、私を」

「それは俺と寝たことのある奴だけが知っている」
「…一応天使でしたので、羽の付け根が弱いです。性的な意味でなく」
「いや、否定しても無意味だろ」

「後ろから突っ込んだままで背中舐めると凄いな」
「そんな状況説明いりませんから！」
「娼婦顔負け」（にやにや）
「煩い黙りなさい」

「奴隷」
「…………」（殺気）
「嘘は言ってないだろう？お前は俺の命令に従うしかないのだから」
「わかりませんよ。演技かもしれないじゃないですか」
「へぇ…そりゃあ楽しみだな、今晩が」

「愚問だな」
「……そうでしょうね」
「お前は？」
「これでも一応魔族の端くれですから、私は。貴方が一番御存知でしょう？」
「まあな」

「嫌がっても無理矢理に」
「貴方は、人間が呼吸をすることと同じくらいの無頓着さで行為に及ぼうとする。もう少し慎みを持ちませんか？」
「何のために？」
「……」（言葉に詰まる）

「数上げたらキリが無いが。そうだな…、やってみたいというより、やられてみたい事はある」
「…はい？（やられてみたい、って何だ）」
「俺は黙って見ているだけで、お前が率先して俺の上で腰振ってる。そういう受動的なセックスをしてみたいんだが」（真剣）
「………想像だけで我慢なさい」

「むしろシャワー浴びながら始めるな」
「……それ以前に湯浴みをさせていただける程、貴方は寛大じゃあないでしょうが」

「無法だな」
「そんなもの作ったって、片っ端から破りそうですけど貴方は」

「愚問」
「そうでしょうね…」
「そう言うお前はどうなんだ」
「……………」
「…………一途だな」
「貴方に言われると無性に腹が立ちますね」

「心で腹は満たされない」
「保留します」

「俺より悪がいるのならば、面白そうだから観戦させてもらおう」
「貴方にとって悪とは、アイテール（天界）じゃあないんですか？」
「…ふむ。そうだな。お前が天使共に強姦なんぞされてみたら、考えよう」
「天使が強姦をするという時点で矛盾してる気がしますが、……何を考えるんですか？」
「天界の破壊を」
「…え」（唖然）

「今更恥じらわれてもな」
「ええ」

「『親友』ってのはいないから何とも言えないが、基本的に俺は応じる。その魂ごと」
「人によります」
「応じるのか」
「…そういう夢を見せてあげますよ。要は『寂しい』という事が無ければいいわけですし」

「一度として不満を告げられた事はない」
「告げる前に相手が死んでいる事の方が多くはありませんか？」
「どういう意味だ 」

「そうだな…、俺が一から仕込んだからな、下手な筈はないだろう」
「なんですかその自信は」

「いつも耐えている様なものだから、時たま堪らなく喘ぎを漏らすその声がいい」
「……その微妙な喜びはどうかと思いますが」
「お前はわかってないな。娼婦の様に喘がれるより、たまに見れるそういう色がいいんだ」
「…そーですか」（じと目）

「達く瞬間の、快楽に歪んだ顔が好きだ」
「………悪趣味」
「お前はどうなんだ？」
「柄にもなく真剣な表情をするときは、驚きますね」
「いつも真剣じゃねぇか」
「それ、なんですか？冗談？」

「喰う為にセックスをする」
「セックスは趣味でしょう？もっと簡単に食事できるくせに」
「……嫉妬か？」（にや）
「……その手には乗りませんよ」（冷）

「痛めつけるのが俺なら大歓迎」
「貴方ね、もう少し自分を隠した方がいいと思いますが」
「肉体を痛めつける事よりも、心を痛めつける方が好きだな。追いつめて追いつめて最期に手を取るか放すか。相手に依るがな」
「たちが悪いですね」

「何を企んでいるのか疑います」
「信用がねぇな」
「あると思ってたんですか」
「…」（ションボリ）

「一種のプレイ」
「醜いですね」
「…」

「しつこいのが」
「楽しませてやってるじゃねえか」
「長いんですよ貴方は！」
「最期まで付き合ってるのは何処のどいつだろうな？」
「…」

「場所か…。何処だろうな。人前で見せつけてもスリルはないしな。なあ？」
「……（帰りたい）」

「無いです、とは、言いません」
「見栄張るなよ」
「うっさいですよ」

「断る理由もない」
「ものすごく調子に乗るので、恐らく二度はないでしょうね」
「つまらんな…」

「あるある。最初から強姦」
「胸張らないでくださいよ……。自慢できませんよそんなこと」

「実に無駄な抵抗をしていたな」
「なんですかその意味のない強調は」
「無駄だろう？抵抗しようと結果はかわらん」
「かといって、無抵抗だとそれはそれでつまらないくせに…」
「よく解ってるじゃないか」

「反抗的な方が好きだな。手折り甲斐がある」
「相手を探そうと思うほど飢えてません」

「私の趣味はそこまで悪くはありません」
「可愛げねぇな本当に」
「可愛くなくて結構」
「照れるなよ」
「頭のネジ飛んでませんか貴方」

「あれば使うだろう普通」
「一度殴ってもいいですか」

「『自我に目覚めたのは何時か？』と同じだな。その問いは無意味だ、俺の場合」
「……」
「歳は知らんが、お前の『はじめて』は誰だろうな？」（にやにや）
「そうですね。天界にいた頃、当時の主人と」
「っ…本当か！？」（立ち上がる）
「…さあね」

「まさか」
「さあね」
「…」（ものすごい気になっている）

「先た――――ってぇ」（どつかれた）
「黙らっしゃい！！」

「何処にというか、無理矢理するのが好き」
「聞いてませんからそんなこと」

「………」（考え込んでいる）
「なんだ」
「いえ、貴方が喜んでいる所なんて見たことがないので」
「失礼な奴だな」
「……貴方にだけは言われたく無い言葉ですが」

「どうやって啼かそうか」
「色々と」
「平気で他のことを考えているな、お前は」
「誰かさんのように単純ではないので」

「場合による」
「毎回同じとは限りません。ノイズが飽きるまで、ですね」

「脱がす破る引き裂く専門」
「片付けが大変なんですが」
「どうせすぐ作り直せるだろうが」

「食事、娯楽、欲求」
「義務」
「義務なのかよ…」
「私の立場に応じてしなければならないことですよ」
「俺に抱かれることが、か」
「……ええ」

「特にないです」
「……今更特に求めんが、もう少し何かないのか」
「貴方ね。言いたいことが一言で終わると思います？」
「…そうか」