ジビエとクトレトラ vol.5 おじいちゃん篇

Liwyathan the JET ""short story

「てめぇ!クトレトラ!お前んとこの駄犬!首根っこしっかり押さえとけ!!」
「…は?」
「クトレ、ごめんな」
「……は?」
「ジビエてめぇ、なんでクトレに謝って俺に謝んねぇんだよ!」
「だってロトパルの旦那がクトレに言いがかりつけてんのが悪ぃんだよ」
「俺ぁいいんだよ!こいつと付き合い長ぇから!そもそも何でお前に殴られにゃならんのだ」
「…いい年して子供に殴られたんですか」
「信じらんねぇ馬鹿力だなこいつ」
「子供じゃねぇよ、俺」
「爺さんに手上げるなんざガキで十分だぜ」
「顎砕かれなかっただけ良かったですね」
「てめぇも言うようになったじゃねぇか。だいたい雄嫌いの偏屈なのに、雄相手に股開いてるっつーのをネタに酒のんで何が悪いってんだ。女より上等な面してるから、女にもいい顔されねぇとか、今更だろうがよ!」
「黙れロトパル。この飲んだくれ。もう一発殴るぞ」
「…面倒くさいので、俺が居ない所でやってください。二人とも」
「なんで!クトレいっつも怒るだろ!ロトパルだけなんで流すんだよ!」
「……信じたく無いですが、血縁なので」
「は?」
「殻かぶってたころから知ってるからな俺ぁよ」
「…え?」
「ああ、そういえば、お祖父様。お祖母様から手紙をいただいたのですが、貴方に伝言がありました」
「ちょ、おい、なんで俺の上さんが俺じゃなくてお前に手紙だすんだよ」
「『これ以上借金増やしたら、そのサオ噛み千切ってやる』、だそうです」

 ロトパルは暫く部屋から出てこなくなった。

  

Σ(U・ω・U)
2008/09/23  拍手小咄でした

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