あふ。
日光を遮るようカーテンが引かれた室内は何処か薄暗かった。ベッドから起き上がったカラスは床に足をつけて座ったまま、ぼうっとしていた。
ふぁ…。
欠伸がでた。疲労が完全に抜けきっていない。
うー、とも、んー、とも付かない声で唸りながら、体がそのまま横に倒れてぽふんと枕代わりの柔らかいクッションに頭を埋める。
ぽかぽかとした気温が心地よくて、タオルケットを被ろう等とは思わなかった。体を動かすのが怠くて仕方がない。
これは俺の所為じゃない。おれのせいじゃない。……ねむい。
ぐずる子供よろしくクッションに顔を擦り付け、小さな欠伸をもう一度。カラスは規則正しい呼吸を繰り返した。
「おー…。絶景」
眠る気配を察知して、音もなく船長室に戻ってきた魅朧はベッドの上でうたた寝をするカラスを見つけて呟いた。
一応起きる決心をしたのかタオルの類は剥いである。だがそのまま力つきたみたいにベッドの端で寝息を立てていた。
微笑ましいと言えば微笑ましいのだが、その恰好が半端じゃなくイヤラシかった。裸よりマシだったという理由なだけで魅朧から奪い取った黒地のシャツを一枚。身に付けているのはただそれだけ。
顔の半分はクッションに、気持ちよさそうに埋めていて、片手を下に挟んでいる。もう一方の手はぱたりと身体の横に落ちてあった。
下の方で留めた釦の所為で胸元と肩が露わになり、日に焼けない肌の白さが堪らない。
不揃いに伸びた髪がまとわりついた首に一つ、付け根に一つ。鎖骨の下、胸には二つ、ぎりぎり臍は見えないが、その周囲と脇腹にもあるはずだ。
魅朧は赤く鬱血した口付けの痕を数えて、うっそりと笑った。
舐めるような視線で腰から下を凝視し、片方だけ落ちた足の内側にも痕を見つけて笑みを深くする。
シャツでぎりぎり股間は見えないが、殆ど際どいところまで肌がさらけ出されている。
本当に。なんて姿をしているのだろうか。
「据え膳、だよな」
昨晩意識を飛ばせるほど貪ったのだが。
見えそうで見えないシャツの下に手を這わせ、両足を広げてこの欲塊を埋め込んでやりたい。それから、昨日付けた鬱血を上塗りして、もしくは増やしてもいいだろう。
喉が鳴るのにまかせて、魅朧はそろりそろりと近寄った。
裸Yシャツ第二段カラスVer。一言メールリクエストより。寝てチラ見せか、起きてチラ見せか迷いました(笑)。
2005/12/21